ガソリン 輸送費補助拡大
来月から県 増額分は値引きへ
県は油槽所のある宮古や石垣島などと比べてガソリンなどの石油製品の販売経費が比較的高い多良間島や伊良部島など県内各離島への輸送費補助を、11月1日から拡充する。現行の倉入料(仕入れ分の補助額)1㍑当たり0・75円を多良間島の場合は12円、伊良部島では2円にそれぞれ見直す。本島、離島間の石油製品価格差縮小を目的とする措置で対象は揮発油、灯油、軽油、A重油。県は在庫調整を勘案し、同月15日以降補助増額分の値引き販売を求めている。
多良間1㍑12円、伊良部2円に
県内の揮発油税は復帰特別措置により本土と比べ1㍑当たり7円安い。県はこのうちの1・5円を離島輸送費補助に充て、離島の価格を沖縄本島並みにする施策を実施しているが、2012年度の本島と離島の小売価格には1㍑当たり22円の開きがあった。
県はこれを受け価格差の発生要因分析と流通実態調査を実施。その結果、多良間島などでは離島特有の経費があり、その上販売量も少なという条件不利性が浮上し、制度拡充となった。
沖縄本島と違う多良間特有の経費は①ドラム缶充填費1㍑当たり4円②ドラム缶トラック輸送費やトラック、フォークリフト、屋外貯蔵施設の減価償却費などで8円-を試算。伊良部島はドラム缶輸送ではないが、タンクローリーによる島内輸送費(2円)を勘案した。
宮古島を含む離島全体に該当する経費は、セルフ給油所が少ないことなどに起因する人件費9・0円-などを示した。
宮古島では輸送費補助があるのに、なぜ沖縄本島比べてガソリンの値段が高いかと不満が多い。県はこの点について、離島では人件費が高く、1店舗当たりの販売規模も小さいとして、一定程度の価格差はやむを得ないとの見方を示している。
石油製品の輸送費補助は、離島における住民生活と産業経済の安定を図る目的で実施している。