5年ぶり3万羽超え/宮古野鳥の会13年サシバ調査
1日で2万羽飛来も
宮古野鳥の会(仲地邦博会長)と県自然保護課は29日、2013年のサシバ飛来数調査結果を発表した。調査は伊良部島と平良久松で8~21日まで実施し、期間中に3万1833羽を観察した。飛来数が3万羽を超えたのは08年以来5年ぶり。今回の飛来傾向では13日に伊良部で1日に2万1343羽を観測したことが特徴的だった。
一方、宮古島では期間中に646羽が観察されたが、これは確認できるデータでは最少の飛来数になる。
同会は1973年に飛来数調査を開始し、日別の飛来数記録が残る84年以降で、1日2万羽を超える飛来を観察したのは今年が初めて。
同会の仲地会長はこの飛来数について「台風23、24号が宮古島地方に接近し、九州方面に北上したため、天候が回復し、沖縄本島や奄美大島に滞留し南下できなかったサシバと九州から南下してきたサシバが合流した結果ではないか」と話している。
今回のまとまった飛来は台風後の天候の回復など諸条件に恵まれたためで、サシバの繁殖環境が良くなったため個体数が増加したとの情報は得られていないという。
飛来数調査は県自然保護課や市、伊良部高校、伊良部中学校の生徒、宮古野鳥の会が8日から21日まで、両島で実施した。
サシバは本州の東北以南で繁殖し、その年生まれた幼鳥とともにこの時期、沖縄本島、宮古島などを経由して、越冬地の台湾やフィリピン方面に南下する。宮古島で冬を過ごす個体も見られる。
サシバは中型のタカの一種で、のどは白く、中央の黒褐色の縦線1本と胸から腹にかけて茶褐色の横斑があるのが特徴。成鳥の全長は雄が47㌢、雌51㌢。