伸び率は県内1位/沖縄公庫宮古支店12年度
融資実績示し意見交換
沖縄振興開発金融公庫(譜久山當則理事長)は31日、市内のホテルで地元企業主や経済団体、市、県宮古事務所の代表らを招いて「宮古経済ワイドー懇談会」を開催した。同会合は宮古地域における産業、経済動向や同公庫に対するニーズを聴取し相互理解を図ることなどが目的。沖縄公庫の本店と4支店(中部、北部、宮古、八重山)および代理店ごとの部店別融資実績が示されたが、2012年度の融資実績伸び率は宮古支店が前年度比132・6%を示して県内で第1位であったことなどが報告された。
沖縄公庫宮古支店(中山道哉支店長)の12年度融資額は71億6800万円で、1998年度の74億6600万円に次いで2番目に高い値となっている。
資金別実績では生業資金が対前年度を13億6100万円の大幅増となり46億8300万円となった。生業資金の増加は小規模事業者経営改善資金(通称・マル経資金)と12年度から設けられた沖縄雇用・経営基盤強化資金(通称・沖経資金)の融資が堅調だったことなどが説明された。運用資金のセーフティネット資金と設備資金における設備更新やアパート建設等資金の需要が旺盛だったことも増加要因の一つとしている。
中小企業資金も10億5600万円増の23億2500万円、農林漁業資金については前年度の台風災害等での需要反動により6億5000万円の減少となった。そのほか、生活衛生資金、教育資金、恩給担保資金はほぼ前年度並みの実績となっている。
これら宮古地域の活発な融資活用について譜久山理事長は「伊良部大橋建設、地下ダム工事などの地元にお金の落ちる仕組みの公共工事が多いことに加え、市が一括交付金を活用して建設している伝統工芸センターやごみ処理施設、JA集荷場の建設など、着眼点が良く企画力に優れている」と評価した。
会合に出席した長濱政治副市長からは「融資実績が高いということは宮古の場合、自己資本力に劣っているとの見方はできないか」などの質問があったが、譜久山理事長は「投資意欲そのものが旺盛であり、決して自己資金が少ないということではない」と答えた。
このほか会合では、国際的な物流環境整備の必要性や西里大通り市街地の活性化について、公庫が市場調査を行った上で、活性化する方策を導き出せないかなどの要望があり、活発な意見交換が行われた。