県、水産振興寄与に期待
中層型浮き魚礁 3基入れ替えへ/総事業費2億2700万円
人工の浮力体でマグロやカツオ、シイラなどの回遊魚を年間通して集める効果を発揮する新しい中層型浮き魚礁3基が今月中旬ごろ、宮古島南沖に設置されている中層型浮き魚礁3基の老朽化に伴い入れ替えられる。宮古農林水産振興センター(前田幹男所長)が2日までに明らかにした。総事業費は2億2700万円(国が90%、県10%負担)。今後の水産振興に寄与するものと期待されている。
浮き魚礁はパヤオとも総称され、海面に浮かべる表層型浮き魚礁と海面下に浮かべる中層型浮き魚礁に大別される。
パヤオは1982年、当時の伊良部町と伊良部町漁協が日本では初めて宮古近海に設置した。その後県内や九州へと普及し、今年で31年の歴史がある。
宮古では、2007年8月8日、パヤオの秩序ある利用推進とパヤオ漁業振興、漁家経営の安定を期することを目的に「パヤオの日」と制定・宣言した。
水産環境整備事業で設置する新中層浮き魚礁は、海面下50㍍に浮かべる。海底約1000㍍にコンクリート製の重りを沈め、その重りにつないだロープを同魚礁に結びつけて固定化させる。
中層型浮き魚礁は表層型浮き魚礁と比べ、船舶の航行に支障がなく安全性が高く、潮流や波の影響が少なく、耐久性が優れている。現在県が宮古近海に設置している中層型浮き魚礁は9基、表層型浮き魚礁は3基の計12基。新中層型浮き魚礁は、沖縄本島の国頭村の製作ヤードにあり、宮古には船舶で輸送される。
伊良部漁協の漢那一浩組合長は「浮き魚礁の設置が安定すると、漁獲増大によって漁船の安定経営が図られる」とメリットを強調している。