湿地保全と利用推進へ/ラムサール条約
市町村会議で採択
【那覇支社】第9回ラムサール条約登録湿地関係市町村長会議(会長・翁長雄志那覇市長)が1日、那覇市のホテルで開催され、全国33市町村の首長や代表者ら約100人が出席し、宮古島市など12市町の新加入の承認や、湿地の風土や文化を活かした保全と賢明な利用を推進する「漫湖宣言」を採択した。
設立25年目の同会議は、ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に2012年に登録された宮古島市の与那覇湾などの新たな加入により、国内湿地46カ所(約14万㌶)の関係64市町村に拡大した。与那覇湾は県内では6カ所目。
会長の翁長那覇市長は「3年に1度の貴重な会議を通して、湿地の保全やワイズユース(持続可能な活用)を積極的に推進しよう」とあいさつした。
会議では、12年度事業・決算報告や13年度事業計画・予算を承認。役員改選も行われ、14年度から名古屋市の河村たかし市長が会長に、現会長の翁長那覇市長が副会長に就任する。
初日の10月31日の同会議第5回学習・交流会では、基調提案で環境省自然環境局の柳谷牧子さんが、湿地がもたらす恩恵や経済的価値を認識し、関係市町村や地域との連携を訴えた。各地の湿地の保全・再生に取り組む活動報告や今後の課題などについても意見が交わされた。
下地敏彦市長は「漁協と野鳥の会の協力で守った与那覇湾とワイズユース」と題して報告。32年前に宮古島の干ばつ解決策として与那覇湾の淡水湖化計画が打ち出されたが、地元漁協や野鳥の会などの反対運動により、国営地下ダム事業の推進に至った経緯を説明した。今後は市民や観光客の憩いの場、子供たちの学習の場として親しめる環境づくりを目指したいと話した。