生鮮水産物 那覇への空輸費を補助/流通条件不利性解消事業
キロ55円3漁協対象/県内初、今月下旬から実施
下地敏彦市長は5日、市役所平良庁舎で会見を開き、市が今年度、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用しての導入を目指していた、宮古から那覇への生鮮水産物の空路輸送費をキロ当たり55円を補助する生鮮水産物流通条件不利性解消事業について、内閣府からこのほど承認が得られたことから、今月下旬にもスタートさせる方針を示した。離島から本島までの空路輸送費補助を実施するのは県内で宮古島が初となる。
同事業は、離島という地理的事情から生じる流通条件の不利性を解消し、水産業の活性化を図ることが目的。現在、宮古から那覇へ空路輸送費はキロ当たり108円となっている。それに対し、宮古-那覇間の距離290㌔を陸路輸送した場合の輸送費を市ではキロ当たり53円と試算。そこで、陸路で運ぶことのできない離島の不利性を解消するため、陸路と空路輸送費の差額55円を、宮古島の3漁業協同組合が那覇へ出荷する生鮮水産物に対し補助金として支給する。年間の補助金額は2011年度の3漁協輸送実績250㌧を基に1375万円と試算し、今年度当初予算に計上していた。
市では当初、5月末の一括交付金一次採択または6月末の二次採択での承認を見込んでいたが、同事業を実施した場合の沖縄本島漁業者への影響などについて内閣府が慎重な検討を行ってきたため承認に時間が掛かり、事業実施が大幅に遅れる結果となった。
補助の対象は3漁協で、対象品目は貝類やモズクなどを含む生の水産物で、冷凍品や加工品は対象とならない。
補助事業実施を前に、市水産課では今月11日午後4時30分から伊良部漁協、12日午後5時から池間漁協、13日午後4時から宮古島漁協で説明会を開催する。
会見で下地市長は「今回の補助で運賃コストが非常に安くなり、漁業者の生産意欲がますます沸いてくるものと期待している。大いに活用してほしい」と同補助事業が市の漁業活性化へ大きく貢献ことに期待を寄せた。
説明会に関する問い合わせは市水産課(電話74・2212)まで。