農業後継者「いる」24%/農林水産業振興実績発表会
37%「決まっていない」/農家アンケートで判明
宮古地域農林水産業振興実績発表会が14日午後、県宮古事務所で行われ、サトウキビ、肉用牛、水産業など各分野ごとに調査、研究と実績の報告があった。この中で農業の後継者に関するアンケートの結果が示され、後継者が「いる」と答えた人は全体の24%にとどまることが分かった。「いない」は23%、「決まっていない」は37%だった。
後継者に関するアンケートの結果は市農林水産部農政課が報告。市内の農家を対象に5000枚のアンケート用紙を配布し、回収した用紙は1810枚(回収率36・2%)だった。
後継者が「いる」と答えた農家は1810人中431人で、逆に「いない」と答えた人は408人。「まだ決まっていない」が673人で最も多かった。
経営の規模を拡大する意向があるかどうかの質問に対しては、「ない」と答えた人が924人で全体の51%を占めた。「ある」の回答は26%だった。
後継者に関して市の担当者は「後継者がいない農家が23%で、おおむね耕作面積の23%が流動化の対象になる可能性が高い」などと指摘。今後は「就農青年者の農業技術を育てながら担い手の育成を進め、規模の拡大や農地の集積を展開したい」とまとめた。
発表会ではこのほか、▽オクラの拠点産地育成▽宮古島産種雄牛「北福波」の功績▽モズク培養種利用▽メイチュウ類の交信かく乱法による防除▽サトウキビ栽培の現状と機械化栽培体系の推進-などについて関係団体から調査や研究の概要報告があった。
農林水産振興センター家畜保健衛生課は種雄牛「北福波」の功績を報告。1998年10月、平良の与座武雄さんの牛舎で誕生し、その後県に買い上げられて種雄牛に選抜、2006年から北福波の産子が県内外の枝肉コンクールで入賞するようになった経緯を詳しく紹介した。
この評価が子牛の競り価格にも反映され、北福波の産子は06年度から県内市場全体の平均価格を上回っている実績も報告された。
ただ、現在の北福波は高齢のため精液が採取されていない。このため、凍結精液の在庫が無くなり次第供給が終了する。同課担当者は「北福波の能力を引き継ぐ優れた種雄牛の登場が期待される」と結んだ。