ヤシガニ捕獲 4月から全面禁止/市ヤシガニ保護条例
保護区域指定の4カ所/市長「資源保護に協力を」
宮古島市ヤシガニ保護条例の施行に伴い、来年4月から、城辺七又、平良間那津、池間、下地来間の海岸線4カ所でヤシガニの捕獲が禁止される。指定した保護区域の総面積159万平方㍍の区域内ではすべてのヤシガニの捕獲が全面的に禁止される。下地敏彦市長は2日の会見で「ヤシガニという貴重な資源の保護に協力を」と呼び掛けた。条例違反者には10万円以下の罰金が科される。
絶滅が危惧されているヤシガニの保護条例は昨年1月に施行され、市内全域で甲長8㌢未満および同12㌢以上のヤシガニの捕獲が禁じられている。また、繁殖期に当たる6月1日から8月31日の期間は大きさを問わず捕獲できない。
時期に関係なく捕獲が禁じられる保護区域は、ヤシガニ保護推進協議会が「保護と繁殖に適している」として市に提案、このほど市が最終決定した。
城辺七又の保護区域の面積は約79万平方㍍。東平安名崎の岬入り口付近から友利のインギャーに向けての海岸線一帯が対象となる。
池間は島の北海岸線が対象区。池間伊江端から前里池津までの約20万平方㍍が指定された。
間那津の保護区域は約30万平方㍍で、市海業センター周辺を含む海岸線。来間島は南東側の海岸で来間漁港から長崎浜の面積約30万平方㍍の区域でヤシガニを保護する。
保護区域には来年4月までに立て看板を設置して範囲を明確化し、4カ所それぞれに監視員を置いて現場を巡視させる。そのほかヤシガニのモニタリングを実施して生息状況の確認と把握に努める。
下地市長は「ヤシガニは乱獲の方向にある」と危機感を示し、「これを管理することで貴重な資源のあり方が考えられる。保護しながらも利用できる環境を整えたい」などと話した。
市ヤシガニ保護推進協議会によると、ヤシガニ(方言名・マクガン)は、乱獲で絶滅の危機にあり、環境省および県の絶滅危惧種Ⅱ種に指定されている。