平良港漲水地区 耐震バースを整備
ケーソン据え付け開始/17年春の供用目指す
沖縄総合事務局平良港湾事務所(知花包信所長)が平良港漲水地区で進める複合一貫輸送ターミナル改良事業の耐震バース整備は17日、ケーソン(岸壁本体)を据え付ける現場工事に入った。第2、第3埠頭の西側に北東方向に造る同岸壁の長さは220㍍。強い北東風の吹く冬場の大型船の安全な接岸や大規模地震時の緊急物資輸送対応などを目的に整備する。供用開始は2017年春ごろを予定している。
耐震バースの整備工事は今年8月に着工した。巨大な台船の上でケーソンを作り、8個できたところで第1号のケーソン据え付けとなった。
1個の重さは約1000㌧。長さが17・6㍍、幅10・8㍍、高さが11・6㍍。北防波堤の側に仮置きしてケーソンの水を抜き、海水に浮かせて引き舟で現場(第3埠頭西側145㍍の所)にえい航した。岸壁はケーソンの内側に石を詰めて、上部にコンクリート打設などをして造り上げる。今回据え付けるのは6個で完了は26日ごろを見込む。
知花所長は「工事は現在順調に進んでいる。今後天候不順の影響を受けることがあるが、その場合は休日にも工事を行い遅れないようにしたい」と話した。
同岸壁は第2、第3埠頭間の海の水を締めきる形で北東方向に造り、その後市が同水面の埋め立てを行う。面積は3・7㌶。国の2・7㌶と合わせ埋め立て面積は6・4㌶に上る。
漲水地区ターミナル改良事業は、埠頭用地が狭く非効率な荷役作業を強いられている状況の埋め立てによる解消も目的に行う。
岸壁の北東方向の整備は、冬場の強い季節風と平行にすることで接岸の安全を図り、安定的な海上輸送の確保を可能にするという。
耐震バースの整備要請は、大規模地震時に現バースが壊れて緊急物資の途切れが心配されることなどを受けて行った。
ケーソン 鉄筋コンクリート製の箱で岸壁の本体