テーマパーク開発へ転換/西里大通り商店街振興組合
情報発信で商店街を活性化
西里通りを宮古島の縮図に
戦前、戦後西里大通りは宮古島のメインストリートとして繁栄して来た。現在では、ライフスタイルや交通事情の変化でコンビニや郊外大型店への買い物客流出傾向が著しくなり、ずいぶんと様相が変わった。1983年に設立した「西里大通り商店街振興組合」は、通りの活性化を求め、道路拡幅事業など地域開発を国や県に要請してきた。ところが、県道は16㍍の拡幅が基本とされ、3年前の要請に対し県は「白紙に戻す」という回答だった。商店街振興組合(38軒、羽地昇子理事長)は視点を大きく変更してテーマパークとしての商店街開発に乗り出すことになった。羽地理事長は「歴史、文化、環境などを網羅した宮古島の縮図のような通り会にしたい」と意気込む。
魅力ある商店街とは/「通りの未来づくり」土肥氏講演
9月にスタートした「西里大通り物語-情報発信による商店街活性化」事業。島のメインストリートとしての役割を踏まえ、商店街のにぎわいを創出するための情報発信を行い、集客による活性化を目指そうというもの。まず、手はじめに行われたのは、「西里通りの未来づくり」をテーマにした商店街活性化講演会。講師は(株)事業開発推進機構の土肥健夫氏。
1980年代からオリックスの応援で何度か来島しているという土肥氏は「以前の宮古らしさがなくなりつつある」と前置きしながら、10年後の商店街を構想した。「これまで大型店が中小店を飲み込み、商店街が淘汰される時代が進んできた。これからは逆で、大型店が合理化され経営システム間の熾烈な競争となる。そして、商店街などの再評価、再構築が進み、新たな形の商業集積が誕生するだろう」と話し、期待を込めた。
現在、求められているものは「自立性」。西里通りのまちづくりも自立性の追求が大切と話して「地の光を観る」観光こそがカギを握ると視点を観光に向けた。「地域での評価、口コミが『宮古のとっておき』をつくり、外部へと広がっていく。特に飲食、娯楽需要への対応がカギ」と話し、おもしろみのあるテーマパークとしての街づくりを提唱した。
マップ作成やスライド/上映会、写真展など
現在、これまで無かった通り会のマップ作りや歴史のある暮らしの風景を切り取った写真、お話などの掘り起こし作業に力を入れる。年明けの1月下旬には、事業の成果を広く伝えるために、写真展や「西里大通り物語スライド上映会」を実施する。
羽地理事長は「新しい西里大通りのコンセプトは『温故創新』。古きを知って新しきを創るという意識で取り組んでいる。これまでの歴史を掘り起こし、今後の発展につなげたいと思う」と話し、当時の写真やお話などの提供に協力を呼び掛ける。