キビ収穫始まる/宮古本島
干ばつ乗り越え豊作型
宮古本島内製糖2工場(沖糖、宮糖)の2013~14年期製糖操業が8日から始まるのを前に同島では、サトウキビ(原料)の収穫が始まった。宮古本島の生産は23万7000㌧を見込む豊作型。今年のキビは昨年夏場の干ばつや秋の台風被害を乗り越えた。
夏場の干ばつの時、キビ畑では地下ダムの水をまくスプリンクラーが被害防止に威力を発揮した。
4日収穫に励んだ砂川正夫さん(80)=砂川=のキビも地下ダムの水を吸収してすくすくと成長。春植だが反収8㌧程度が見込めるという。
砂川さんのキビ栽培歴は約50年と長い。本土復帰前年1971年の大干ばつの被害状況は今でも脳裏に焼き付く。「キビの長さは1㍍ぐらい。ほとんどのキビが枯れた。昨年も地下ダムの水がなければ、大変な被害が出たと思う」と話した。
株出面積はアオドウガネ誘殺灯や新農薬の普及に伴い、近年急増した。砂川さんは「株出は畑の耕起や砕土、苗作りなどの作業が省けるので夏植と比べコストが安く付く」と株出のメリットを強調した。
宮古地区には昨年、株出の反収向上を目的に株出管理機30台が新たに導入された。同時に株そろえや農薬、肥料、除草剤散布ができる優れもの。管理機は収穫後出来るだけ早い時期に使うことで利用効果が高まる。10㌃当たりの使用料4000円のうち8割を行政が補助し、農家負担は800円と比較的安い。