九条の碑がきれいに/カママ嶺公園
匿名女性が汚れ除去
昨年10月にスプレーのようなもので黄色い塗料が吹き付けられているのが見つかったカママ嶺公園にある「日本国憲法九条の碑」が昨年末に汚れが除去された。
碑の汚れ除去については、一部マスコミに匿名の女性から電話で同碑が汚された時の状況やこれまでの経緯についての質問が寄せられたという。この女性が汚れたままで新年を迎えるのは忍びないとして31日に自ら除去作業を行ったという。
公園で子どもたちと遊んでいた親たちからは「きれいになって良かった。汚れたままだと公園そのもののイメージも悪くなる。子どもたちにもこの碑に書かれた九条の話を伝えていきたい」との声も聞かれた。
同碑は2007年6月23日に「宮古憲法九条の碑建立実行委員会」が、市民から寄付を募り同公園に建立。同日に除幕式が行われ、宮古島市に寄贈された。
同碑を建立した「みやこ九条の会」の事務局長の三浦春彦さんは「会としては汚れが落とされているのを2日に確認した。昨年の12月31日の段階ではまだ汚れたままだったことも確認しているので31日の夜以降に除去作業を行ったと思う。碑の汚れを落としたいという気持ちはとてもうれしいがこの碑の管理責任は宮古島市にあるということをこれからも訴えていきたい」と述べた。
汚された同碑をめぐっては、市から被害届も出されず、修復も行われていなかったことから昨年12月に行われた市議会の一般質問で当局の見解が求められ、長濱政治副市長が市の財産であることを認めたほか、近日中に宮古島署に被害届を出す予定としていた。
宮古島市によると、昨年12月27日に担当職員が宮古島署を訪れ、被害届提出に向けて調整を行い現在、正式な被害届の提出に向け作業を進めている。
市民による汚れの除去について長濱副市長は「市民感情として同碑が汚れたままでは新年を迎えられないという気持ちはよく理解できる」とした上で、「碑の建設、管理については議会と行政側との間に意見の違いがあり、このような状態になったことに対し、申し訳ないと思う。できるだけ早い時期に議会とも相談し問題処理に当たりたい」とコメントした。