株出管理機 利用申込みが大幅増
1019件で758ヘクタール
反収増へ原動力 宮古・多良間で55台稼働
宮古と多良間島を合わせたサトウキビ株出管理機の今期利用申込面積は758㌶、件数は1019件に上った。宮古地区さとうきび糖業振興会が昨年11月に申し込みを受け付けて同月29日に締め切った。稼働する管理機は55台(宮古53台、多良間2台)。株ぞろえや肥料、農薬、除草剤散布などの作業を同時にこなせる管理機は株出反収増の原動力になると注目を集めている。
株出はハリガネムシ(キビの土壌害虫)に有効な農薬の登場やアオドウガネ(同)の成虫を光で誘き寄せて捕獲する可動式誘殺灯の大量導入に伴い、近年急増した。
一方で、栽培管理が行き届かないために低反収の株出畑が多く出現するという課題が浮上。行政は昨年、同課題に対処し株出の反収を上げる目的で宮古地区に管理機30台(宮古23台、多良間2台、伊良部5台)を新たに導入した。
管理機は昨年まで宮古島では20台余が稼働していたが、今年は50台以上と一気に増え利用が本格化した。
昨年は管理機の利用申し込みを一元化し、管理機を効率的に稼働させる目的でオペレーターらで構成する宮古地区さとうきび管理組合(前里孝清会長)が発足した。
組合に所属する管理機は宮古島では、11日ごろから稼働を開始した。県農業研究センター宮古島支所は、株出の増産は収穫後早期の管理がポイントになると強調。ハーベスター収穫直後に株出管理を行えば4月下旬に遅れて管理を行う場合と比べ16%増収すると、試験データを示している。
前里会長は農家から48㌶の管理委託を受けた。「天気の良い日は管理機を最大限稼働させ、農家に迷惑を掛けないようにしたい。全申込面積での作業完了を目指し組合員一同頑張る」と話した。
製糖工場は株出管理後の培土も、反収増に大きく結び付くと指摘した。耕して土中に空気を入れる培土には根呼吸を促進するなど生育条件を良くする効果がある。
株出はかんがい施設が整った畑の場合、管理を徹底すれば反収8㌧は可能という。管理がおろそかになった畑では、反収4㌧程度の低反収のキビも多い。株出の現在の平均反収は5・5㌧だが、今後の目標には7㌧を掲げている。