ポスター使い事例紹介/県立病院運営研究発表会
6病院の職員が情報交換
県病院事業局(伊江朝次局長)主催の第5回県立病院運営研究発表会が18日、宮古病院(安谷屋正明院長)で開催された。同研究発表会は県立病院の業務改善や県立病院運営健全計画に基づき行われている県立6病院(宮古病院、南部医療センター・こども医療センター、中部病院、北部病院、八重山病院、精和病院)の各セクションの職員たちが日常の業務の中で取り組んでいる事例をポスターを使って発表し合い、そのノウハウを各病院でも生かしていこうと毎年、持ち回りで開催されている。同発表会では宮古病院副院長の本永英治医師と佐久川和子看護部長が特別講演を行った。
発表会には県内6病院の職員約200人が参加した。院内の廊下にはポスター発表で紹介する資料が一面に張り出された。A~Cの三つのセクション(医療・看護・事務)に分けて計45組が持ち時間10分以内で取り組み例を説明した。
開会式で安谷屋院長は「県立病院の業務や運営で各病院が実践している例を学ぶよい機会になる。情報交換し連携しながら県立病院の運営改善につなげてほしい」とあいさつした。
伊江局長は「県民に良い医療を提供し全国の模範となる病院事業を展開するため、この機会を通じて大いに交流を盛んにしてほしい」と述べた。
特別講演では本永副院長が「県立宮古病院臨床研修システムの10年間の歩みと今後の展望」と題して講話し、宮古病院は「協力型研修病院」に位置付けられ、04年から琉球大学を通じて緊急・麻酔コース研修医プログラムがスタートしたことや、10年から「地域医療コース」「救急医療コース」の研修医受け入れを開始した経緯などを説明した。
人材の現状については、「へき地中核病院として急性期医療と専門医療に対応できる医師の確保を目指すことから大卒後5年程度経過した医師が多い」と説明し今後、家庭医療専門医を養成する研修システムを強化していくことなどを報告した。
また、佐久川看護部長は「離島における看護人材育成の試み」と題して講演し、95年に有志で発足した院内看護学校(看護塾)の設立経緯から現在の県立看護大学大学院開設に至るまでの過程や、助産師実習受け入れなどについて説明。「宮古病院の人材育成は地域の協力があってこそ成立している」と述べ、実習生受け入れのボランティア組織「みゃーくの会」などの支援体制についても紹介した。