大人の絵本セラピー開催/絵本セラピスト協会
岡田代表「感想は内面の現れ」
「人間関係がちょっと楽になる 大人のための絵本セラピー」が25日、市内のカフェで開かれた。絵本セラピスト協会(東京)代表で「絵本のソムリエ」こと岡田達信氏が講師を務め、大人が絵本を読んで感じることはその人の内面にあるものであり、ほかの人と感想を聞くことで自分自身について気付くことができることなどを紹介した。
「絵本セラピー」はワークショップ方式で行われ、みんなで同じ絵本の読み聞かせを聞き、互いに意見を交わすことで、自分とは異なる考え方に触れ、自らの問題に気付き、問題の解決を目指す。
今回のセラピーには市民のほか、絵本セラピストが全国から参加。岡田代表は何冊かの絵本を読み聞かせし、グループに分かれた参加者同士で感想を発表させたほか、これまでに聞いたさまざまな感想を紹介。「同じ絵本を読んでもいろいろなバリエーションの感想が出てくるのは、そこに読んだ人の内面や価値観が現れているから」との考えを示すとともに、「人の意見を聞くことで、自分が当たり前と思うことが人にとっては当たり前でないことに気付き、自分に初めて気付く」と指摘した。
隣のタヌキを嫌うウサギが月にタヌキをこらしめてもらう交換条件として1カ月間、タヌキに優しくしてきたところ、タヌキもウサギに対し優しくなっていくというストーリーの「となりのたぬき」を読み聞かせた岡田代表は、この絵本を読んだ女性が嫌いな上司に毎日お茶を出すことを決め、取り組んだ結果、好きにはならないものの、さほど気にならなくなったという実例を紹介。「相手が変わらないのに嫌いという思いがなくなれば自分にとって得なこと。タヌキに当たる人に、自分が無理なくしてあげられることは何かあるか考えてみて」と呼び掛けた。