小型EV実験スタート/宮古島市
燃料費抑制など期待/関係者が集い開始式
宮古島市小型電動モビリティー等の活用にかかる社会実験プロジェクトの開始式が28日、市下地庁舎に新に設置されたEV(電気自動車)充電ステーション前で行われた。充電ステーション建屋の壁面に宮古島の自然と環境を表現し、彩色をした下地小学校の児童らが除幕。下地敏彦市長や事業関係者がテープカットで事業が始動した。
同プロジェクトは国土交通省の超小型モビリティー導入促進事業を活用して実施される。今年度中に5台の超小型EV「MC-β」を導入し、公用車としてイベントなどで活用する。
このプロジェクトの導入により、沖縄の離島特有の自動車の高い燃料費の抑制▽二酸化炭素の排出削減▽台風時などの非常用電源としての活用-などの効果が期待される。同プロジェクトは2013年度から3年間実施される予定で、総事業費は約1億円。
開始式のあいさつで下地敏彦市長は「みんながこの電気自動車で宮古島を運転して走れれば良いと考えてこの事業を始める。大切な宮古島の自然を守りながら、この自動車を運転すれば、島はもっと楽しくなる」と述べた。
開始式後、下地市長の運転で試乗した上地玲香さん(下地小6年)は「音が静かでとても乗りやすかった。将来はこんな車に乗りたい」と感想を話した。
この実証事業は市の「エコアイランド宮古島」の実現に向けて超小型モビリティーおよび再生可能エネルギーと、蓄電技術による充電ステーションを活用して、二酸化炭素の排出削減、移動の経済性向上、災害時の安心感確保などの各施策の効果を検証する。
このプロジェクトは、ホンダ技術研究所が開発した超小型EV「MC-β」と、東芝が構築、設置した太陽光発電と蓄電池を利用したEV充電ステーションから構成される。
「MC-β」は最高速度が70㌔以上で、フル充電の航続距離は約80㌔。全長約2・5㍍の2人乗りで、最小回転半径が3・3㍍と小さいのが特徴。超小型ではあるが、車内は大人2人がゆったりと乗れる広さがある。
EV充電ステーションは太陽光発電と蓄電池を組合せ、ほぼ二酸化炭素を出さずにEV充電が可能。蓄電池は長寿命で1万回以上のサイクル寿命がある。「MC-β」にも同じ蓄電池が搭載されている。
式には、沖縄総合事務局運輸部の岩崎俊一部長、本田技研工業スマートコミュニティ企画室の桶田直也室長、東芝社会インフラシステム社カンパニーの榮元安信副社長、真栄城徳彦市議会議長らが出席した。