懐かしい写真40点展示/ギャラリーTomoe
「西里大通り んきゃーん展」
宮古で最も歴史の古い商店街「西里大通り」の「んきゃーん(昔)」の様子を収めた写真展(主催・西里大通り商店街振興組合)が29日、ギャラリーTomoeで始まった。「温故創新」がテーマ。展示している写真は約40点。通りの荷馬車や丸勝百貨店の屋上遊園地を埋め尽くす子供たちなど古き良き時代(大正中期~昭和40年ごろ)の風情が目を引く。最終日の31日は午後7時から、Tomoeで元まる紅社長仲本正雄氏と、のむら代表野村安潤氏によるトークショーを開く。
同展は昔の名残をとどめる西里通りの魅力を再評価し、今後の再開発につなぐ狙いで開催した。
会場を訪れた通り会役員の一人は「観光客には産業や商業をはじめとする宮古の歴史や文化が感じられ、地元の人も懐かしさを覚える場所にした方がいいと思う」と開発の方向性を提言した。
野村安重さんの酒造所が開発したという巨大水車の写真は貴重な一コマ。野村さんの息子安潤さんは、水車とセットで展示した両親の写る集合写真に懐かしそうに見入った。野村さんは戦前、映画館「新世界」も経営していたという。
当時の新聞コピーには、料亭のホステスの美人投票(大正時代のAKB総選挙?)が行われたなど興味深い話題が多い。
西里通りは「宮古上布」「黒糖」「かつお節」の三大産業が起こったのが始まりだった。現金収入のある庶民の需要に応えるため那覇や本土から商人が寄留し通りが形作られていった。上布は本土で販売され現在の通貨価値に換算して1反150万円の頃もあったという
西里通りの繁栄の基礎をつくったのが「やまこ百貨店」の経営者宮里三郎氏で、関西の店に上布を大量に卸売りしていた。全琉球長者番付で2位の記録も達成した。
西里通りは以前は多彩な店が並び生活必需品の買い物客でにぎわっていた。現在は土産品店や居酒屋を利用する観光客が目立つようになった。