野鳥のオアシス確保を
貯水池に水補給を要請/野鳥の会など
平良の大野山林内で野鳥の水飲み場の目的で整備されている3カ所の人工貯水池が昨夏の長期干ばつなどの影響で干上がっているとして、宮古野鳥の会(仲地邦博会長)など5団体が29日、市役所平良庁舎を訪ね、下地敏彦市長に各貯水池に水を補給するよう連名で要請した。下地市長は「分かった」と述べ、貯水池整備に積極的に取り組んでいく姿勢を示した。貯水池の水底には小さな水生生物の環境に適した川の玉石を敷き詰める方針。
要請した団体は、宮古野鳥の会のほかに、宮古虫の会(砂川博秋代表)、宮古自然クラブ(岡徹代表)、宮古青少年の家(安慶田昌宏所長)、宮古写真愛好家協会(与儀一夫会長)。
通称ひょうたん池は、林緑部に整備され全露天型、通称竜の池はほとんど緑の屋根に覆われ、もう一カ所の池は半露天型。水の枯渇原因は、昨夏の長期干ばつと貯水池の内部に設置されている防水シートの劣化とみられているが、原因は特定されていない。
仲地会長は「三つのため池は大野山林のほかの地域に比べて生物多様性が豊かである。それを利用して児童生徒や一般市民向けの植物観察会、昆虫観察会、野鳥観察会などが催されてきた。しかし、ため池に水が無くなれば生物がいなくなってしまい、観察会ができなくなる。良い環境教育の場が無くなりそうだ」と危機感を募らせている。