来月完工へ急ピッチ/新伝統工芸館
進ちょく率58%/上野野原
沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用して市が建設を進めている「宮古島市伝統工芸館」(上野野原)は29日、外観などの工事を一通り終えて現在、本格的な内装工事を急ピッチで進めている。
市建築課によれば昨年12月末現在の工事進ちょく率は58%で、当初の工期予定より若干進んでいる状況だ。内装工事が順調に進めば2月28日の工事完了予定日までに十分間に合うという。
同工芸館の建設は全体事業費が2億6915万円で、市持ち出し分の約5383万円を除いて残りの額をすべて一括交付金で充当している。同施設の敷地面積は2700平方㍍、建物の延べ床面積は1007平方㍍で、現在、市内にある各施設と比較しても施設規模はかなり大きな造りだ。
建物の敷地を取り囲む外構壁は地元産コーラルを使用するなど、国の重要無形伝統文化財指定の「宮古上布」の製造・発信拠点となる施設にふさわしい重厚な外観を構えている。
同伝統工芸館では宮古上布生産のほか、苧麻を原料とした紙すきによる和紙生産も行い、宮古の伝統工芸品全般を広く島内外に発信する拠点施設を目指している。
市は「宮古上布」「宮古織」などの伝統織物の保持と工芸品全般の生産促進と販路拡大を図ることを目的に、地元工芸品の生産拠点と観光の両機能を同施設内で図りたい考えだ。
また、同工芸館の敷地には苧麻畑、藍畑、糸芭蕉畑を造園し、苧麻糸生産、苧麻績みから機織りまでを一貫して行える施設形成にすべく工事を進めている。
そのほか屋内には絣織室、藍染室、草木・染織室、検査室、織子養成室、多目的作業場、伝統工芸品展示室、休憩喫茶室などを充実させ、苧麻を原料にした手すき和紙の生産体験コーナーなども設けることになっている。