「ホーイホーイ」と厄払い
野原でサティパロウ/国指定重要無形文化財
国指定の重要無形民俗文化財「サティパロウ(里払い)」が30日、上野地区野原集落で行われた。子供パーントゥらを先頭に後方の女性たちが「ホーイホーイ」と唱えながら集落内を練り歩き、厄払いをした。
毎年旧暦12月の最後の丑の日に執り行われる悪霊払いの伝統行事で、起源は定かでない。
参加者らは、聖地の大嶽に向かって向こう一年間の豊作、無病息災を祈願後、行列を作り出発した。
仮面をかぶった子供パーントゥと小太鼓をたたく子供、ホラガイを吹く子供らが一緒に並んで先頭を歩いた。後ろからは女性たちがクロツグ(方言名マーニ)とセンニンソウ(同タドゥナイ)で組んだ草冠をかぶり、草帯を腰に巻き、両手に悪霊払いのヤブニッケイ(同ツッザギー)の小枝を持って続いた。
道路の四辻では子供らを囲んで女性たちが円陣を組み「ウルウルウルウル」と唱えた。
伊藤琉陽君(上野小3年)は、初のパーントゥ役をしっかりと務めた。
サティパロウは参加者らが集落南西のムスルンミに、身に着けていた草や小枝を取り外して置いて終わった。
パーントゥの仮面が登場するサティパロウは1993年12月、「宮古島のパーントゥ」のくくりで、島尻のパーントゥ祭りとともに国の重要無形民俗文化財に指定された。類似した祭りはインドネシアやミクロネシアにもあるという。