「振興開発局」設置へ/下地市長 就任5周年インタビュー
大型事業の推進で
下地敏彦市長は1月25日に市長就任5周年を迎え5日、マスコミ各社のインタビューに応えた。その中で大型プロジェクトを推進する新部署として「振興開発プロジェクト局(仮称)」を4月から設置することを明らかにした。総合庁舎の建設については「絶対必要」と建設に意欲を示した。
下地市長は新年度から整備着手する大型プロジェクトは①未来創造センター(図書館と公民館を併設)②コンベンションセンター(スポーツ観光交流施設)③総合福祉センター-だと説明。新しく設置する振興開発プロジェクト局は、これらの大型プロジェクトに天然ガスの利活用や下地島の利用計画も含めた事業を一括・集中的に推進するのが狙いだと説明した。
なぜ、大きなプロジェクトを一気に推進するのかという記者の質問に対し、一括交付金や合併特例債は期限付きの制度だと強調。「この期間内に、宮古島に絶対必要という施設は急いで造らなければいけない。今造らなければ財政上の負担が非常に大きくなってくる。少々ハードルは高いが頑張って造っておく必要がある。これらの施設が完成すれば、市の大きな課題は整理できると思う」と話した。
懸念される完成後の維持管理費については「コンベンションセンターの光熱費は太陽光を設置する予定で抑えられる。その他の維持管理は、そこで行われるイベントの会場使用料という形がある。予定ではイベントが目白押しに開催されそうなので、維持管理で大赤字が出て大変だという状況は想定していない」と語った。
また、「運営費で赤字が出たら誰が負担するかというと、それは基本的には市民が負担する。その負担をできるだけ軽くするのが私に与えられた行政上の責務である」と述べた。
各庁舎を一つに集約する総合庁舎については「絶対必要だと思うが、計画している大型プロジェクトを整備した後の大きな課題である」とした。
市議会などでたびたび指摘される都市部と農村部の格差について「都市部またはその周辺地域に公共施設等が集中している。都市部以外の市民は『自分たちの所には何も無いのではないか』と思っているかもしれない。農村部は農業生産の場としてきちんと整備している」と述べ、地域特性を生かした政策に改めて理解を求めた。
下地島空港については、「今後の利活用をどうするかは県も苦慮している。もし、維持管理費に県費を投入することに議会の承認が得られなければ、休港か廃港にしかならないのではないか」と話し、県議会の動向を注視する考えを示した。
市長就任5年間の自己採点について求められると「宮古島市の行政処理のスピードはものすごく早くなった。サービスについても、市民のニーズにできるだけ応えていく形でやっている。点数は合格点くらい」と話した。