「国防上必要なら議論」陸自配備構想で下地市長
宮古島市の下地敏彦市長は22日、宮古を含む先島への陸上自衛隊配備構想に関し、「国防上どうしても必要というなら議論する余地はある」と述べた。日中間の対立を招いた尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件にも触れ「このままにしておいて良いのか」と懸念。その上で「(安全保障に関しては)国民全体の議論が必要だ」などと強調した。
下地島空港に関しては「平和的に利用する基本方針に変わりはない」と従来の姿勢を示した。開会中の市議会9月定例会一般質問で複数の議員の質問に答えた。
一般質問では前里光恵氏と新城元吉氏が陸自配備構想に関して質問し、それぞれ下地市長に見解を求めた。
これに対し、下地市長は「この件に関してはマスコミ報道で知る限りだ。直接的には聞いていない」と答弁した上で「国防上」を理由とする議論の必要性を強調した。
再質問に答える形で尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に触れ「わが国の領海内で違法な操業があり、近海を中国の潜水艦が通る。このままで良いのか。わが国の国益をどうするのか」と自身の懸念を表明。ただ、「一市町村長にどうするのかと問い掛けるよりは、安全保障の上でも国が明確な姿勢を示すべきだと思う。宮古、八重山と個別で論議するのは妥当ではない」とする見解を示した。
12月に来島する米海軍第7艦隊音楽隊に関しては、新城氏が宮古空港の利用に強い危機感を示した。下地市長は「緊急時のやむを得ない場合以外は切に自粛してほしいと考えている」と述べた。
音楽隊がマティダ市民劇場を使用することについては教育委員会の安谷屋政秀生涯学習部長が答弁。「宮古島市の条例に基づいて許可した」と答弁した。