平良榛希君(宮高2年)がダブル受賞/青少年科学作品
県教育長賞・環境奨励賞
【那覇支社】第36回沖縄青少年科学作品(主催・沖縄電力、共催・県、県教育委員会など)表彰式が8日、浦添市民体育館で行われ、宮古高校生物部の平良榛希君(2年)が2作品で県教育長賞と環境奨励賞に輝いたほか、宮古高校に学校奨励賞が贈られた。
平良君の県教育長賞の研究テーマは「オオジョロウグモの巣はなぜ傾いているか」、環境奨励賞が「ミヤコマドボタルの幼虫はなぜ畑や市街地公園では見られないのか」。
同クモの巣が傾く要因に「ごみ捨て行動がやりやすくなる」などの3仮説を立てて検証。巣を様々な角度にセットして行動を観察した結果、「自分の体勢が下向きになるように巣を張る本能行動がプログラム(記憶化)されて、ごみ捨て行動に関与している可能性が示唆された」と考察した。 また、準絶滅危機種で固有種の同ホタルの研究では、農薬や街灯の光の影響など3仮説を検証した上で、「幼虫は農薬を避ける傾向があり、街灯の光が成虫の交尾行動を妨げている可能性がある」と指摘した。
表彰式の後、平良君は「二つの賞がもらえるとは思わなかったので、びっくりした。とてもうれしい。二つの研究を交互に取り組むので大変だった。部での活動や経験を忘れずに、将来は自然保護方面の研究者になりたい」と、喜びを語った。学校奨励賞を受賞した同部顧問の川端俊一教諭は「生徒たちの主体的な部活動や頑張りの結果なので、うれしく思う。興味を持って考え抜く力を持つようにアドバイスした。宮古島にはまだまだ面白い昆虫などがいるので、島にこだわった調査、研究をしていきたい」と話した。
同作品展は、児童生徒の科学への興味・関心の喚起と、地域産業の担い手となる人材育成に寄与することを目的に1979年から開催されている。今回は「未来を灯す、君の創造力」をテーマに、県内の小中高校、アメリカンスクールから137点の応募があった。
表彰式で、主催者の同展実行委員長の玉城直沖縄電力常務が「作品展を通して、科学を身近で楽しく心躍るものであると体感し、県の科学教育の発展の一助になれば幸い」とあいさつした。