ペーパークラフトで模型/エコハウス
教材に、田中教授(山梨大学大学院)提案
市エコアイランド推進課は12日、根間地区の市街地型エコハウスで「エコハウスペーパークラフトのお披露目会」を行った。国内や県内の重要建築物などをペーパークラフトにして各種研究を行っている山梨大学大学院教育学研究科の田中勝教授が完成までの経緯を説明するとともに、気候、風土に根差した住まいの伝統文化や住み方について学ぶ材料としてペーパークラフトが活用できることなどを紹介した。
ペーパークラフトは紙を素材とした模型で、印刷された平面の紙を加工し、立体にいろいろな物を作り上げる。
田中教授は、家庭科住生活領域の授業実践での活用を目的にこれまで国指定重要文化財の中村家住宅(中城村)や岐阜県白川村の旧遠山家など全国各地の民家や現代住宅のペーパークラフト作製を行ってきた。
2年前に宮古島市のエコハウスに興味を持った田中教授は、ペーパークラフト作製について市に協力を依頼。根間地区の市街地型エコハウスと城辺字友利の郊外型エコハウスの作製に取り組み、このほど完成した。
田中教授は「このペーパークラフトをエコハウスの普及啓発に役立ててほしいと思っている。宮古島市のエコハウスはとても興味深いので、実際に見学に行きたくても行けない場合に立体的な模型でその魅力を体感しながら、気候風土に根差した快適な住まいについて考える材料にもしてほしい」と述べた。
完成したペーパークラフトの活用について同課では、エコハウスの普及促進に向けて学校における教材としての活用などを含め今後検討していくとしている。
お披露目には、エコハウスを設計した建築士の伊志嶺敏子さんも参加。完成したペーパークラフトについては「紙でここまで精巧な模型になることに驚いている。エコハウスは宮古島の歴史、文化、気候風土に沿った構造で、先人たちの知恵も詰まっている。このペーパークラフトが自分たちの足元を見直す良い材料になることを期待している」と述べた。
田中教授は、これまでにも中村家のペーパークラフトを活用した家庭科の授業を宮古工業高校など県内各地の高校でも行っており、住まいを学ぶ材料としての活用なども提案している。