行雲流水
2014年2月15日(土)8:55
「方言」(行雲流水)
英語が苦手で、外国人を見ると話しかけられないように避けてしまう。かといって、正しい文法の日本語を話せればいいのだがこれもできない。方言はというと、父母の日常会話を聞いて育ったせいか敬語表現ができず、高齢者との会話に礼を失する場合がある
▼宮古方言を広める会(佐渡山力代表)が各保育園で方言講座を開いている。人体の部位を方言で教えたり、歌遊びをしたりして、子供たちと交流を深めながらミャークフツ(宮古方言)を普及させようとしている。新聞に掲載された写真を見ると、園児もお年寄りも楽しそうで取り組みの素晴らしさが伝わってくる
▼方言を使わない児童生徒が9割を超えているという。方言を話した生徒に「方言札」を首にぶら下げて罰としていたことを考えると隔世の感がある。ユネスコは宮古方言を世界絶滅危惧言語に指定している。大人は危機感を持って取り組まなければならない
▼先だって城辺中の学習発表会をのぞいた。1年生3人が方言の意味や歴史などを調べ紹介していた。宮古方言のアクセントやイントネーションが地域によって微妙に違うことを知り「味わい深い」と発表した。3人とも方言を聞くことはできるが話せないという。「おじいさんやおばあさんと方言で会話をしてみたい」とまとめていた
▼きょう15日は旧暦の1月16日に当たり、宮古各地ではジュウルクニツ(旧十六日祭)が行われる。家族や親戚らが集まって墓前で先祖の霊をもてなす光景が見られる。子供や大人たちがごちそうを囲み、方言を飛び交わせば先祖もさぞや喜ぶだろう。