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企画・連載行雲流水
2014年3月4日(火)8:45

「卒業」(行雲流水)


3月1日、各高校で卒業式が挙行され、卒業生たちは父母、家族の見守るなか、恩師や在校生の祝福と激励を受け、感謝と別れを告げて、学び舎を後にした


▼高校時代は心身が飛躍的に発達を遂げる人生で最も重要な時期である。学校生活で、彼らは自然や社会、人間について多くのことを学び、知的世界を広げてきた。また、身体と意志を鍛え、情操を深め、人間的に生きる構えを培ってきた

▼映像でみる彼らの学校生活は、飛び、跳ね、歌い、語る、まさに青春そのものである。その中で、自己の成長を確認する喜びと共に、理想に対する現実の不確定さに伴う不安や葛藤がある。自意識に目覚めた多感な彼らが、人生を共感できる友を求めるのは必然である。そこで結ばれた友情は人間関係の原点になり、生きることの懐かしさの原点になり続けるに違いない

▼卒業生を送り出す教師や父母、家族は、彼らの前途に幸多かれと願いつつも、彼らが生きる近未来のありように思いをめぐらす。見方はいろいろだが、国の内外を問わず、経済至上主義は他の文化価値を見えにくくしている。また経済社会そのものでも、労働者を疎外する傾向が強い

▼彼らは学ぶことや働くことの意味を問い直しつつ、自己の目標を模索し、努力する

▼未来は若い世代のもの。社会が創造的知性を求めていることもまた事実である。希望を持って、自己の可能性を伸ばし、果敢に人生をきり開いてほしい。学園を巣立った若者たちが、それぞれによき人生を歩むよう、期待したい。(空)

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