人、もの、健康づくり基本/多良間村
「過疎化対策に全力」/伊良皆村長が所信表明
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)の3月定例会が11日開会し、伊良皆光夫村長が2014年度の村政運営に臨む所信を表明した。昨年6月の選挙で初当選した村長が年度当初の所信を述べるのは初めて。所信は人、もの、健康づくりを基本に「きらりと輝くゆかり(豊かで幸せな)村」を目指す方向を明示。具体策には過疎化対策に地道に取り組んでいく方針などを示した。
伊良皆村長は多良間のような離島のまた離島は、少子高齢化・人口減少が急速に進み地域の存続さえ危ぶまれる状況に直面していると指摘。これに歯止めをかけるには思い切った施策を展開する必要があるとの考えを述べた。
具体策には第1次産業、観光、第6次産業の振興とそれに伴う雇用の創出や子育てのしやすい環境の整備、子育て応援手当の支給などを挙げた。
少子化対策については、保育料の第2子からの無料化や中学3年までの医療費の無料化の財源確保のために「子育て基金(仮称)」の創設を提案した。
「15の春に島を離れた若者が高校や大学、あるいは家族を持ってから島に戻りたいと思うような魅力ある島づくりを進めたい」と強調した。
多良間村は農業の盛んな地域で、経営形態はサトウキビや葉タバコ栽培、畜産が中心。畜産振興に向けては農家が生産した子牛を預託するキャトルセンター」の建設構想を打ち立てた。預かった子牛を専門的に飼育することは子牛の質や農家所得の向上、雇用の創出、増頭に結びつくと効果を示した。
高齢化が進む中、介護福祉施設の整備・拡充は大きな課題と指摘し、今後施設の内容や規模などを検討する委員会を立ち上げて整備に向けて取り組むとの方針を明らかにした。
行財政改革では村民の行政への理解と信頼を深め公正で透明な村政を推進していくために「村長交際費の公表に関する要項」を制定し実施すると明言。
村政変革の課題には①村長が変わる②議会が変わる③職員と役場が変わる④村民が変わる-の4項目を挙げた。
村民には「従来の何でもおまかせ、傍観者的な村民ではいけない。地域経営は人ごとではなく、参画と協働の責任を果たすことが求められている。自分に何ができるかを積極的に考えて発信し自治に参加してほしい」と呼び掛けた。