バス路線見直しに本腰/市議会一般質問
「結節点」整備を検討
10月立案へ 事業所と調整
宮古島市が新しいバス路線の交通網整備計画を加速させている。来年1月の伊良部大橋開通をにらみ、10月には具体的な計画をまとめる方向でバス会社と調整を進めている。下地敏彦市長は14日、「今の(路線)体系がだめだというのは分かっていること」と指摘し、速やかに計画を立案する意向を示した。ターミナルについては、従来のような大型施設ではなく、乗り換えの拠点となる「結節点」の整備を視野に入れていることを明かした。開会中の市議会3月定例会一般質問で、嵩原弘氏の質問に答えた。
市は2012年度に実施した現況調査を踏まえ、効率的な路線バス運営の課題として①バス路線の見直し②交通結節機能の強化③街中バスの確保-を打ち出して協議を進めてきた。
観光商工局の下地信男局長は14日の市議会で「全体的なバス路線の見直しを調整している」と答弁し、課題に沿って調整を進めている現状を報告した。
今後の協議は「バス会社と市民の合意形成が一番大事になる。この部分を丁寧にやっていく」と述べ、市民に公表する計画の立案を急ぐ考えを示した。
嵩原氏は、ターミナルを含む新たなバス路線の整備が市民の利便性と観光誘客に大きな効果を発揮すると主張。「バスターミナルの整備は市長にしかできないことだ」と述べて下地市長の見解を求めた。
下地市長は「どうやったらうまくネットワークを構築できるのか検討を進めている段階にある。結果が出たら市民に公表して知恵をいただきたい」と述べた。
さらに、「ターミナルのような大きな施設ではなくても、バスが交わり、乗り換える場所として結節点でも良いのではないかという考えもある」と述べ、コスト高な大型ターミナル以外の拠点整備も視野に入れていることを明かした。
市はバス会社3社に対して年間計6000万円を補助している。嵩原氏は「市がこれだけの予算を出している。経営や運行ルートに関してアドバイスできるはずだ」と指摘し、新しいバス路線の整備に向けては市の積極的な介入を促した。
この日の一般質問には嵩原氏のほか、上里樹、平良隆、下地勇德、粟国恒広の各氏が登壇。市長の政治姿勢を中心に、農業振興、福祉、教育行政などさまざまな分野から質問し、当局の考えをただした。