行雲流水
2014年3月15日(土)8:55
「議会」(行雲流水)
改めて言うまでもないが、物事を分かりやすく正しく伝えるのは難しい。自分ではしっかりと伝えたつもりでも、思わぬ誤解を生んだり、偏見をもたらしたりする。要点をうまくまとめて説明する技術や語彙の乏しさを感じてしまう
▼多良間小6年生が村議会の模擬体験をしたことが本紙で大きく取り上げられた。一般質問では、減少する村の人口や増加していく高齢者対策、航空機の増便など、離島が直面する課題を質問していた
▼「村は高齢者をどのように支えますか」「村長は村全体のためにどのような仕事をしていますか」。これに対して村長をはじめとする当局側も分かりやすい答弁を心掛けていた。みんなで村を良くしていこうという気持ちが紙面を通して伝わってきた
▼宮古島市議会3月定例会が開会中だ。ある日の一般質問を傍聴したが、一人の議員が当局側の答弁に「市民に分かりやすく答えてほしい」と不平をもらしていた。当局側は盛んに首をひねっていたが、議員のぼやきも分かる気がする
▼「同一世帯の第3子以降の出生時に」「予算総額が伸びたために自主財源比率が低下した」「配合飼料の価格高騰に対し補填金を交付」…。どうも分かりにくい
▼難しい用語が飛び交う場所に、誰が好きこのんで出掛けるだろうか。議会を傍聴する市民が少なくなっているのも、ここに原因があるのではないか。市民に身近で開かれた議会へ、誰にでも理解できるような用語を使用した議会運営を目指してほしい。