年度比4億6890万円増/肉用牛競り13年度実績
素牛不足等で高値安定
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは19日、宮古地区(宮古、多良間の両家畜市場)の2013年度(13年4月~14年3月)における肉用牛競りの販売実績をまとめた。合計の販売額は過去最高の31億9179万円となり、前年度の実績と比べて4億6890万円の増額となった。子牛1頭平均価格は同比7万8090円高となる47万3049円の高値だった。販売好調の要因は、市場価値の高まりと全国的な素牛不足などが挙げられる。
13年度競りに上場された子牛(素牛)は宮古が5102頭、多良間が1299頭の計6401頭。このうち宮古5091頭、多良間1295頭の計6386頭の取引が成立した。
市場別の1頭平均価格は宮古が48万2625円、多良間が43万5401円。平均キロ単価は宮古が1914円、多良間1880円といずれも高値だった。
性別の平均価格を見ると宮古の去勢は51万1429円となり、50万円の大台を突破。雌は44万4896円だった。多良間の去勢は42万3489円、雌は39万9525円。全体的に高値取引が成立している。
これらの実績に伴って販売額は上昇。市場別では宮古が24億5700万円、多良間が5億6384万円を販売し、両市場の合計販売額は子牛のみで30億円以上の売り上げとなった。
成牛を含む13年度上場頭数は宮古が5670頭、多良間が1420頭の計7090頭。このうち、宮古5649頭、多良間1415頭の計7064頭が競り落とされている。
1頭平均価格は宮古46万1543円、多良間41万3104円と両市場とも40万円を突破。平均キロ単価も宮古1692円、多良間1676円と高値がついた。
市場別販売額は宮古が26億700万円、多良間が5億8400万円だった。
高値の要因は、子牛の系統にばらつきがないために購買者から高く評価されていることや、全国的な素牛不足が挙げられる。素牛は10年に宮崎県で発生した口蹄疫と、11年の福島第1原発事故の影響で全国的に不足している。これらの要因が重なり合う形で市場価格が押し上げられている。
課題は、宮古本島内の子牛の上場頭数が減少傾向にあること。JAほか農業関係団体は、子牛を安定的に生産するために、「母牛の増頭」を目標に掲げて取り組みを強化する方針だ。