母牛の飼養管理で講演/獣医学博士の松本大策氏
中国物産宮古事業開設記念し
宮古島の畜産農家に飼料を販売し供給する中国物産(本社・岡山県、増本敏之社長)の宮古島事業所が昨年11月1日に開設された。同事業所設立を記念して20日夕、市中央公民館で、シェパード中央家畜診療所(鹿児島県)を運営する獣医学博士の松本大策氏を招いて講演会が開かれた。松本氏は家畜専門の獣医師として全国でも著名で、同社の技術顧問として飼料開発のアドバイスなどを行っている。講演会にはおよそ50人の畜産農家や畜産関係者が集まった。
松本氏は「繁殖障害を防ぐためのお母さん牛さんの飼養管理」と題して講演し、母牛の系統上の特性や繁殖の基本、飼育農家が実際に困っている事例を挙げて説明し、その原因と対策について分かり易く解説した。
講演で松本氏は、和牛は系統ごとに飼育の特性が異なるだけでなく、同じ系統であっても個体によってそれぞれ体質の特徴があることに注意を払わなければならないことを強調。その上で、肥育が進み過ぎ、太りすぎた母牛を急激に痩せさせた場合、病気になってしまうことを説明し、与える飼料によって適正な管理を行うことが重要なポイントとなることなどを話した。
さらに母牛の役割である繁殖の基本について説明し、生殖機能、分娩に至るまでの過程で注意しなければならない点、繁殖機能の良し悪しや難産など、実際に畜産農家で問題となる様々な課題について事例を挙げ、その対策を講話した。会場に集まった人たちは、熱心にメモをとりながら松本氏の講演に耳を傾けた。