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行雲流水
2014年3月25日(火)8:28

「選抜高校野球」(行雲流水)

 センバツ高校野球大会歌はうたう「駆け巡る風は青春の息吹か、たなびける雲は追いかける希望か」。待ちに待った甲子園の高校野球が始まり、連日、熱戦が展開されている

▼野球の魅力はチームプレーでありながら、一人一人の能力や特性が十分に生かされることにある。何よりも、その展開が筋書きのないドラマであることによる。そして、高校野球では、フェアプレーの精神で、きびきびと全力で戦う球児たちの爽やかな姿が感動を呼ぶ

▼甲子園で郷土チームが出場すると、応援席でもテレビの前でもファンが熱狂する。それは、愛郷心の自然な発露である。特に、沖縄でそれが強いと言われるのは、沖縄の高校野球が歩んできた歴史にもよると考えられる

▼県勢として那覇高校が選抜に初出場したのが今から54年前の1960年である。その3年後、首里高校が、甲子園で初の1勝を挙げている。その後、興南旋風があり、豊見城高校が活躍した時代があった。続いて沖縄水産が2年連続準優勝に輝き、そして平成11年沖縄尚学はついに全国初制覇を果たした。現在、県勢が強豪と認められるに至ったことには、感慨深いものがある

▼これまでには、多くの関係者の献身的な努力があった。米統治下の時代、沖縄球児に甲子園への道をひらくためにご尽力された佐伯達夫日本高野連元会長のことは特に記憶にとどめたい

▼今センバツでは沖縄尚学と県立美里工業の2校が出場、健闘している。県民の喜びはこの上ない。大会歌はうたう「今ありて、未来も扉を開く」。

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