行雲流水
2014年3月27日(木)8:55
「消費税増税」(行雲流水)
先日の琉球新報紙「論壇」の書き出し「なぜ日本が今、この時期に、増税をしようというのか疑問に思う」には思わず目を見張った。筆者が16歳の高校1年生だったからである
▼中国明時代の徴税の仕組みや納税苦から起きた農民反乱を引用し「不景気が続く状況下で消費税8%の追い打ちをかければ反乱が起こるのではないか」と懸念し行間に国民の増税反対の言動は厳しくなると暗示している
▼さらに「消費税増税で税収は上がる。しかしそれは生活を切りつめて払った税であり国民に幸せはもたらさない…このままだと貧富の差は拡大し不平等な生活の質を生む」とも指摘
▼連日同世代の事件事故が起きている昨今。浦添市に住む高校1年生は真摯に現実を直視し「富裕層に負担してもらう税の徴収法を考えるべき」とひるむことなく提言もしている。そして国民一人一人が真剣に向き合わなければならない課題と結ぶ
▼政府は経済の〝好循環〟を期してアベノミクスを強調し推進してきた。企業の営業利益は従業員に還元されて所得増になり購買欲を高めて消費活動は活発になるとのトリクルダウン効果に期待をこめる政府。円安・株高騰で競争力に弾みをつけた大企業は軒並み潤い従業員もベースアップに浮きたっている
▼しかし全国企業種の99%強は宮古島をふくめ中小零細企業で全国就業者の77%強は経営厳しい中小零細企業が抱えている。ベースアップどころではない。消費税増税に連動して高騰しつつある物価高から日々の生活を防衛するのが関の山である。