米海軍掃海艦、平良港出港/抗議団「島の軍事利用に危機感」
平良港に21日から寄港していた長崎県の米軍佐世保基地に前方配備されている米国海軍掃海艦「ディフェンダー」が24日午前11時40分すぎ、停泊していた第1埠頭(ふとう)から出港した。次の寄港地は明らかにしていない。同埠頭前には労組や市民団体のメンバーら約20人が、抗議集会を開き「歓迎していない。早く帰れ」と声を張り上げた。一方、在沖米国総領事館のレイモンド・グリーン総領事は「今回の寄港は成功だった」と話した。
抗議集会に参加した奥平一夫県議は「石垣などの強制入港と同じく有事に備えて港の調査をすると共に島の住民の意思を懐柔する宣撫工作だ」と述べ「宮古島を軍隊の島にしないために、住民と行動していきたい」と語気を強めた。
沖縄平和センターの山城博治事務局長は「宮古、八重山が狙われているのは明らか。軍事利用に反対する体制をしっかりつくる。住民が総決起できる運動でなければ阻止できない。今後も住民に訴えていきたい」と話した。
連合沖縄宮古地域協議会の根間修議長は「もう2度と来てほしくない。4日間行動ができたので今後も力を合わせて軍事利用に反対していきたい」と述べた。
出港後グリーン総領事は記者団の質問に対し今回の寄港について「友好親善とこの地域に(米軍の)プレゼンス(存在)を示すことができた。成功だった」と振り返った。友好親善に関しては「市民との交流もでき、島の歴史や文化が理解できたという意味でも有効だった」と述べた。
また「入港時に必要なデータの蓄積も行っている。自然災害を含めた有事の際には今回の経験を生かして対応できる。この地域の平和と安定を守るという意味でプレゼンスを目に見える形で示すことができた」と話した。