村教委同意案を否決/多良間村議会
「保護者起用」規定理由で
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)の臨時会が3日午前開かれ、村が提案した福嶺常夫氏(67)を村教育委員会委員に任命したいとする同意案を賛成少数で否決した。同人事案は委員に保護者の起用を義務化した地方教育制度の規定に触れるとして3月議会で取り下げられていたが、伊良皆光夫村長は「福嶺氏は教育委員長として実績があり、人物的にも最適任者」として再度提案した。福嶺氏は3月31日に2期目の任期を満了した。現在、委員定数3のうち1人欠員となっている。同議案の審議では2人が賛成討論を行い、反対討論はなかった。採決には2人が賛成、3人が反対、1人欠席した。
伊良皆村長は否決に関し「議場ではまったく質問も反対討論もなかった。賛成としかとらえられない審議状況だったが、採決では否決された。前代未聞の珍事だろう」と納得いかない様子。
保護者起用の義務規定については「保護者を委員にする慣例はないので、(条例を改正するまでに)1年間の猶予がほしかった」と述べ、同問題をいずれは解決したい考えだったことを明らかにした。今後に向けては「与党議員や村民の意見を聞いて判断する」と方針を示した。賛成討論をした富原安則氏は「反対議員は質疑も無ければ意見もなかった。なんのための臨時議会なのか分からない」と野党の対応を批判した。
本村健次氏は「教育委員に保護者はいないといけないという文言に従い反対した」と述べた。