農地中間管理機構が始動
分散農地を集約化/担い手への農地集積促進
国の農業構造改革の取り組みで農地中間管理機構が1日、始動した。農家から直接農地を借りて、一定規模の面積にまとめて地域の担い手に貸し出す仕組み。賃借促進には政策資金を投入するため、農家が高齢化した中で農地の流動化に勢いがつきそうだ。
県内の機構は県農業振興公社に設置した。一部業務は市町村への委託を予定している。宮古地区には駐在員一人を配置し、市村の受託業務に助言を行う。
機構は担い手(法人経営、大規模家族経営、集落営農、企業)への農地の集積・集約と、地域内に分散し錯綜した農地の集約化を目的とする。
農作業を効率化する担い手への農地集積は、生産コスト低減による外国との競争力強化を視野に入れた。
各機構への「農地の出し手に対する支援金」は、253億円を組んだ。
地域単位の地域集積協力金は、例えば地域内全農地の「2割超5割以下」を機構に貸し付けた場合、10㌃当たりの交付単価は2万円に設定した。「5割超8割以下」は2万8000円、「8割超」が3万6000円。使途は地域に任せる。
経営転換やリタイアに伴い機構に貸す場合も、協力金を交付する。交付単価は「0・5㌶以下」が1戸当たり30万円、「0・5㌶超2㌶以下」が50万円、「2㌶超」が70万円。ただし10年以上の貸付などを条件とする。
管理機構の業務は、地域農業の将来のあり方を描いた「人・農地プラン」と連動して進める。同プランは宮古では宮古島市と多良間村で作成しており、機構の借りた農地は同プランに示した中心的経営体に集積されるという。
市と村は機構が借りた農地と借りる人(受け手)を組み合わせる「農地利用配分計画案」を作成。機構が同計画を決定し、その後の県の認可などを経て農地の利用権が移動する。宮古の駐在員(県宮古農林水産振興センター内に配置)は、同計画案づくりなどについて指導・助言する。