物資輸送体制が拡充/琉球海運の新造貨物船
きょう平良港に入港/1万㌧級、安定就航へ
琉球海運(那覇市、山城博美社長)が博多-那覇-先島(宮古、石垣)に就航させた新造貨物船「ちゅらしま」(9483㌧)が1日午後、平良港に初めて入港する。同船はトレーラーや乗用車をそのまま積み込める「RO-RO船」。強風時には大型船の接岸が難しい平良港だが、スラスターという推進器でスムーズな離・接岸に対応する。1万㌧級の貨物船の安定就航に伴い、宮古島への物資輸送体制が拡充する。
「ちゅらしま」は全長約169㍍。電子制御式の新型エンジンを搭載し、環境への配慮と省エネ性能の向上を図った。スピード性能も増強させており、貨物満載の状態でも常用21・5ノットの速力を維持する。
「みやらびⅡ」と比較して風圧側面積が少ないのが特徴だ。牛の輸送に適用するための工夫も施した。
また、飛行機に乗れない潜水病患者らを輸送するため、先島-那覇間の旅客定員2人分を確保した。
平良港は第1、第2、第3埠頭がそれぞれ突き出た形の「くし形」港で、大型化する貨物船のスムーズな接岸に対応していない。
このため、ちゅらしまはスラスター機能を拡充。船の横移動を強化して安全な接岸に対応した。これにより、大量の荷を積める1万㌧級の貨物船の安定的な入港が可能になった。
同船は4月28日に就航して博多に向けて出港、30日に那覇に戻り、きょう5月1日、初めて平良港に入港する。入港時間は午後2時を予定している。
同社の配船スケジュールによると、当面は1週間に1回程度のペースで先島の港に入港させる。平良港では初入港を記念するセレモニーが開かれる予定だ。