「上布」の発信拠点に
市伝統工芸館 きょう落成式
沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用して市が建設を進めていた「宮古島市伝統工芸館」(上野野原)がこのほど完成し、きょう1日に落成式典を行う。国指定重要無形文化財「宮古上布」の生産、情報発信する施設として、また、宮古の伝統工芸を広く紹介し普及発展させる拠点として機能する。落成式典は午後3時開始を予定している。
同館は宮古織物事業協同組合(理事長・長濱政治副市長)が指定管理を受け、同館の運営に携わることが決定している。4月18日までに旧伝統工芸品センターからの引っ越し作業を終えた同組合の上原則子専務理事は落成式を翌日に控えた30日、式典に向けた諸準備に追われていた。
上原専務は「展示物なども織子さん総出で行った。立派な工芸館が完成し、伝統工芸を守るというだけでなく、広く発展させなければならないという思いを強くしている」と述べ、組合員全員の知恵と力を結集して同館で行う事業に取り組んでいくことなどを話した。新伝統工芸館では苧麻を原料にした手すき和紙の制作なども行う。
同工芸館の建設は全体事業費が2億6915万円。市持ち出し分の約5383万円を除いて残りの額をすべて一括交付金で充当した。
施設の敷地面積は2700平方㍍、建物の延べ床面積は1007平方㍍で、市内にある各種施設と比較しても施設規模は大きい。
上原専務は「宮古上布や伝統工芸は組合員だけではなく、宮古の人全員の宝。島の人にもっと関心を持ってもらいたい」と述べ、市民の同館への来館を呼び掛けた。