「ちゅらしま」初入港
琉球海運 新造の大型貨物船/船内見学実施
琉球海運(那覇市、山城博美社長)が博多-那覇-先島(宮古、石垣)に就航させた新造貨物船「ちゅらしま」(9483㌧)が1日午後、平良港に初めて入港した。関係企業の代表らが船内を見学し、大型貨物船の就航に伴う物資輸送体制の拡充を祝った。
「ちゅらしま」は、トレーラーや乗用車をそのまま積み込むことができる「RO-RO船」。電子制御式の新型エンジンを搭載して環境への配慮と省エネ性能の向上を図った。
強風時には大型船の接岸が難しい平良港だが、スラスターという推進器でスムーズな離・接岸に対応。スピード性能も増強させ、貨物が満載の状態で21・5ノットの速力を出せる。
また、飛行機に乗ることができない潜水病患者らのために、先島-那覇間の旅客定員2人分を確保した。
「ちゅらしま」は、当初の予定より3時間ほど早い午前11時ごろに入港。全長168・71㍍の大型貨物船はゆっくりと姿を現し、慎重に接岸された。
荷物を積み降ろしている間に見学会が行われ、参加者は操舵(そうだ)室に招かれた。琉球海運の宮城茂専務から船の概要について説明を受けた後、祝杯を上げて就航を祝った。
宮城専務は「この船は先島仕様とも言える設計が施されており、冬場の風が強い時期でも接岸できるように造られている。風圧側面積が少ないのも特徴」と紹介した。その上で「これから週1回のペースで宮古に入る。今後も物流の活性化に努め、宮古の経済発展に貢献したい」と述べた。
「ちゅらしま」は同日石垣港に向けて出港した。