農産5品目の関税維持を/TPP交渉
JAグループ 国益確保求め集会
【那覇支社】環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の日米協議で早期妥結の動きが加速する中、JAグループ沖縄は9日、豊見城中央公民会で「TPP交渉における国益の確保を求める県民集会」を開催し、県内の農業関係者ら約1000人が参加した。集会では沖縄の食と農と暮らし、地域社会を守るため、牛肉や豚肉、甘味資源作物などの重要農産物5品目を関税撤廃を例外とするとした国会決議に沿って、国益を守るよう政府・与党に求める運動を展開していくことを確認した。
主催者あいさつした県農協中央会の新崎弘光会長は日米協議が依然として予断を許さない厳しい状況が続いていると指摘した上で、「今後、TPP交渉が大きく進展する局面に至った場合でも、政府・与党に対し国会決議などを順守し、わが国の国益を守ることを沖縄から強く訴えよう」と呼び掛けた。
来賓あいさつで仲井真弘多知事は「先日の担当大臣の日米交渉の話はどうもよく分からない。情報公開の徹底や砂糖、牛肉、豚肉、パイナップルなどの関税の維持、生産農家がしっかりと意欲を持って生産を続けられるよう万全な対策を要求してきたが、決意を新たにしてJAや医師会などの団体と連携して頑張っていくことを誓う」と強く訴えた。
TPP交渉の日米首脳会談や共同声明などの情勢報告の後、連帯メッセージとして県医師会の宮城栄会長や生産農家、女性部の代表が決意を表明した。さらに、集会では「農産物5品目の関税撤廃を例外とするとした自民党や衆参両院の農林水産委員会の決議を守るよう政府・与党に強く求める」とした大会宣言を採択し、参加者のガンバロー三唱で気勢を上げた。