沖縄三越、9月で閉店
57年の老舗百貨店に幕
【那覇支社】那覇市の国際通りにある沖縄三越(杉山潤治社長)が今年9月末にも閉店し、建物は県内の小売大手リウボウホールディングス(糸数剛一社長)が引き継ぐ方向で最終調整に入ったことが明らかになった。
県内有数の老舗百貨店、沖縄三越は建設業の大城組創立者の故大城鎌吉氏が1957(昭和32)年に前身の「大越デパート」を創業。70年に東京の「三越」と提携して現在の名称に変更した。57年にわたり那覇市中心部のシンボルとなる百貨店として親しまれてきた。
沖縄三越は、経営不振に伴い2004年から地元金融機関主導で事業再生計画による経営改善に取り組んできた。だが、売り上げの落ち込みが続き、多額の債務返済のめどが立たないことや提携する三越伊勢丹ホールディングとの商標使用契約が9月末で終了することなどから、今後の経営方針に向けた協議を進めてきたという。
9月末に閉店という一部報道に関して、沖縄三越は「正式な発表ではない。内容については何も答えられない」としている。 一方、主要取引行の沖縄銀行は「関係各所と現在調整中で、今、公表できる事実はない」とのコメントを発表。今後の対応については「関係各所との調整終了後、速やかに開示する」としている。コメントの中で「沖縄三越に対する貸出金等16億6100万円の債権は、担保・引当金等により既に全額保全されている」と明らかにした。