「ヤッカヤッカ」最高潮に/多良間スツウプナカ最終日
神酒飲み、大豊作に感謝
【多良間】村指定の無形民俗文化財で竜宮の神へ豊作・豊漁を感謝するなどの豊年祭「スツウプナカ(節大祭)」最終日の22日、4カ所の祭場では神歌の「ユノーレガ(豊年だよ)ユノーレガ(豊年だよ)、ヒヤ、ヤッカヤッカ、ヤッカ」が響き、歓喜の盛り上がりは最高潮に達した。ウヤキ・ツヌザラ(富貴角皿、酒器)を高々に掲げる参加者は、角皿で神酒を回し飲みし、喜色満面の表情を見せていた。
地元で「スツウプナカ」を継承・発展させている4団体は昨年度、「沖縄、ふるさと百選」に認定され、今年度は認定後、初の大祭となった。
4団体は長瀬川宗根(ながしがーしゅに)、札屋宗根(ふだやーしゅに)、南宗根(ぱいしゅに)、新池宗根(あらいけしゅに)。
県によると、認定内容は「感謝とともに豊年を願うスツウプナカは農漁業が主産業である多良間村では重要な祭事。村を挙げて豊年に感謝し祈る心が脈々と生き、伝承されていることから、伝統文化の継承など人々の生活の営みが認められる」としている。
この日の午前、各祭場の担当者らは、手作り紅白カマボコや揚げ魚などを折りに詰める作業に心地よい汗を流していた。午後から招待された伊良皆光夫村長、神女職のツカサ、二才頭、宮古製糖、多良間小・中学校の関係者が四つの祭場で祝杯を上げた。一人一人に折りが贈られた。
このうち最初に訪れたのは長瀬川宗根の祭場。ツカサ、伊良皆村長らは、古式にのっとって神へ祈願した後、ごちそうに舌鼓を打った。引き続き全員が立った姿勢で神歌を高らかに歌い、熟成の神酒を回し飲みした。
伊良皆村長はあいさつで「今年も豊作に恵まれ、豊かな多良間島になった。みんなで楽しく盛大に祝おう」と述べた。