平和の大切さ学ぶ/佐良浜中で学習会
森田秋さんが講話/戦争の悲惨さを語る
23日の「慰霊の日」を前に、佐良浜中学校(根路銘敢校長)は19日、平和学習会を開いた。全生徒78人は、戦争の恐ろしさや悲惨さ、命の尊さや平和の大切さについて学んだ。
テーマは「平和について考えよう」。平和学習を通して、自分たちを取り巻く社会や平和について見つめ、平和を願う心を培うとともに、生きることの大切さを学ぶ機会とするなどが目的。
講師に太平洋戦争末期を伊良部島で体験した森田秋さん(84)が招かれた講話した。
森田さんは「入営兵がいると、毎日一枚の布に1人1針ずつ縫って千人針とした。最初に縫う人は寅年生まれの人と決まっていた。どうして寅年かというと、トラは強いから敵を殺し、元気に帰ってくるという意味があった」と語った。
「入営兵は、戦(いくさ)になったら(故郷には)帰って来ない、(国は)帰さない。何で国のために、天皇陛下のために死ぬ必要があるのか、それが分からない」と語調を強めた。
また「宮古は昭和19年の10・10空襲で戦禍は激しくなった。急に4機編隊で合計12機が現れた。このような編隊はアメリカの敵機と事前に習っていたから知っていた。爆弾の投下が続いたが、それは言葉で言い尽くせない。宮古本島の平良の街と軍飛行場は昼も夜も戦場となっていた」と回想した。
最後に「何で敵機が飛んで来なくなったのか。戦争が終わったことは、まったく知らなかった。終戦の日は記憶にない。戦争の後は、今度は食糧難が起こった。食べ物は兵隊たちとも分け合って食べた」と話した。
3年生は平和学習会に向け、総合的な学習の時間を利用して「平和とは」「戦争とは」「原子爆弾とは」などについて学習した。この日は、各グループが学習した成果の感想を発表した。