職員再任用条例を否決/一般会計6月補正は可決
市議会最終本会議 陳情2件も不採択
市議会(真栄城徳彦議長)の6月定例会は24日、最終本会議を開き、市当局が提案した「宮古島市職員の再任用に関する条例案」と同条例案に関連する給与、給与基準、勤務時間、休暇などの条例改正案3件を反対多数で否決した。また、「住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実を求める陳情」と「住民の安全・安心を支える国の出先機関の原則廃止に関する要請書」の陳情2件は不採択とした。
その他市当局が提出した一般会計補正予算案を含む22件については可決し、「船員税制(住民税)の減免に関する申し入れ」など陳情2件を継続審議とした。
職員の再任用制度に関する条例案が議会で否決されたことについて、下地敏彦市長は「フルタイムでの再任用を懸念しての否決だと思うが、短時間勤務での再任用も可能で、新規採用や職員の年齢構成適正化などに影響が出ないよう運用要項を作成し実施していくことを説明したが、議会の理解が得られず残念だ」とコメントした。
また、今後の対応について下地市長は「制度がある以上、職員の不利益にならないよう、議会の理解が得られるまで十分な説明を行い、再提案について検討したい」と述べた。
同条例案は、公的年金の支給開始年齢が段階的に60歳から65歳に引き上げられることに伴って、無収入期間が発生しないよう、定年退職する職員が公的年金の支給年齢に達するまでの間、希望する職員について再任用する制度。
国が定めた法律であることから、自治体は同制度に伴う条例を定めることになっているが、市議会は「新規採用などの若者の雇用確保に影響する」「市の定数削減に逆行する」などとして、与党を中心に同条例制定について反対した。
一方、野党系議員は「再任用条例そのものを無くすこと自体が問題だ」「各市町村で可決しているにも関わらず、宮古島市のみ再任用の条例がないのはおかしい」と指摘し同条例案に賛成した。
一般会計6月補正予算案は7億5476万円を計上した。このうち、「スポーツ観光交流拠点事業(沖縄振興)」に1億5000万円を補正編成したことについて野党は「同事業についてはもっと議論を深めてから対処すべきだ。同予算の補正措置は認められない」として反対したが、賛成多数で同補正案は可決した。