累積赤字は25億円/マリン社株主総会
市長「早急に再生計画策定」
宮古島市などが出資する第3セクターの宮古島マリンターミナル社(社長・下地敏彦市長)の第24期定時株主総会が17日、平良港ターミナルビルで開かれ、2013年度の決算などを報告した。累積赤字は約25億円、債務超過も約17億円と、前期と変わらず経営は依然、実質的に破綻している状態。取締役の辞任に伴う選任も行われ、全会一致で承認された。
13年度単年度の純損益は前期と比べ赤字を約2000万円縮小し、730万円余りの損失を計上した。売上げはテナント賃貸料が5739万円(前期比865万円増)。駐車場有料化による売上げは591万円(同294万円増)だった。研修室利用料金の約397万円などを合わせた売上げは約6700万円。
下地市長は「市に第3セクター等経営検討委員会が設置され、マリン社の経営状況の点検評価が行われている。伊良部大橋の供用開始が近い。時間的余裕が無いので、検討委の結果を参考に、早急に再生計画を策定したい」と述べた。
マリン社は前期から引き続き事業再生に向けた資金計画を含めた再生計画を策定した。資金計画では駐車場有料化やテナント入居促進が奏功し、増収となったものの、共用設備の分離工事の費用負担もあり、当期純損益は損失計上となった。
事業計画では、伊良部大橋供用開始が間近に迫っており、それに合わせて宮古-伊良部間の定期航路路線廃止が決まっている。それに伴い、ターミナルビル1階に入居する船舶会社も退去を予定している。
待合ロビーを含めた1階の利活用は、再生計画の前提となる事業の中核になることから、喫緊の課題として、市の第3セクター等経営検討委員会の意見を参考にしながら早急に計画の立案に取り組む方針などが示された。
また、琉球銀行はマリン社に対する求償債権を2014年3月28日に、合同会社おきなわ事業再生支援ファンドに譲渡したことが報告された。
稲福正美、古堅幹也、金城唯士取締役の辞任に伴い、沖縄振興開発金融公庫の明原秀利事業管理部長と沖縄電力離島カンパニーの島袋清人副社長が選任された。また、市の人事異動に伴い、監査役に市会計管理者の宮国高宣氏が選任された。