市の農業補助を制限/土地改良区
対象は賦課金滞納者
下地理事長 財政健全化に本腰
宮古土地改良区(理事長・下地敏彦市長)が賦課金徴収対策を強化する。宮古島市と連携し、賦課金の滞納者には市の農業補助を制限する方針を固めた。27日午後の理事会で下地理事長は「賦課金を納めない人には市の補助金は支払わないと考えている。納めるべきものは納めてもらう」などと述べ、財政の健全化に向けて強い姿勢を示した。
賦課金とは、地下ダムからくみ上げる農業用水を利用するための料金で、水使用料のこと。宮古地区の農家が支払う金額は10㌃当たり年間1500円と県内の国営地下ダム事業実施団体の中では最も低い。
金額的に他地区より優遇されているものの滞納者は後を絶たない。土地改良区のまとめによると、今年6月現在の滞納件数は529件で、滞納金額は計1830万円に及ぶ。このうち107件(829万円)が5年以上の滞納者だ。
市の補助金交付制限はこういった現状を解消するために打ち出した。下地理事長は理事会で、「まずは賦課金をしっかりと納めてもらう」と強調。その上で市の補助事業と連動させる方針を示した。
市の農業補助は、税金納付など法的、公的義務を果たしていなければ交付対象要件を満たさない。この仕組みに土地改良区の賦課金を組み込み、滞納者を市の補助金交付対象要件から外すという流れをつくる。
農業関係補助のメニューは▽農薬▽肥料購入▽さとうきび共済加入▽園芸施設設置▽肉用牛改良-にかかる費用補助など多分野に及んでおり、農家にとっては貴重な運転資金だ。
下地理事長は「市の農業補助金交付の前提としてまずは(賦課金を)納めてもらいたい。市の補助には肥料代や餌代、農薬などの補助があるがこういう形(補助制限)を取らないと賦課金を納めてもらえない」と話して理解を求めた。
具体的に市の補助金が制限される人は①賦課金を滞納している組合員②同一世帯に賦課金滞納者がいる組合員-。今後、詳細を詰めた上で通知する方針だ。