伊良部の小中一貫校 住民から前向き意見
市教委「全県対象校区に」/規模適正化見直し説明会
市教育委員会(佐平博昭委員長)の「学校規模適正化基本方針見直し伊良部地区説明会」が3日夕、伊良部公民館で行われた。同委員会は、これまでの基本方針を一部見直して伊良部地区については2017年度をめどに伊良部と佐良浜の小中学校を統合して小中一貫校を新設し、幼稚園については預かり保育を実施するとした方針について理解を求めた。住民からは理解を示す意見が多数を占めた。また、新設校について市教委は「校区を全県対象として魅力ある学校にし多くの児童を呼び込むことも検討している」と述べた。
説明会の冒頭、佐良浜保護者有志の会(大浦博之会長)から小中一貫校の新設を求める要望書が宮國博教育長に手渡された。
新設される小中一貫校について、宮國教育長は「9年間の一貫した教育計画を立て特色ある学校するためそのカリキュラムは専門家の意見を入れて皆さんの理解を得られる内容にしたい。具体的な中身は統合推進協議会で話し合われるが私たちの案では全県対象の校区にしたいと考えている」と述べた。
住民側からは、「4校が一つになるので体育館の規模はそれに伴って大きくしてほしい」「図書館を充実させ、地域住民も利用できる開かれた形で運営してほしい」「統合協議会での協議内容ついて積極的に情報開示してほしい」などの意見が出された。
これに対して市教委は、協議会の協議事項については『協議会だより』などの発行を含め積極的に情報開示していくほか、学校の基本的な事項については統合協議会の中で地域の意見を踏まえて決定していくとの見解を示した。
そのほか、住民からは「ぜひ、防災型の学校にして災害時には子供たちを守り、住民の避難場所にもなるような充実した設備を兼ね備えてほしい」などの要望も出された。
小中一貫校の新設については、PTAなどから積極的に推進するよう要望が出されていることから、住民からは強い反対の意見などはなく、支持する意見が多数を占めた。
小中一貫校は、9年間の義務教育期間を一体的なカリキュラムで運用する学校で現在は特例でしか認められていないが、制度化に向けた検討が進められている。現在の小学校6年、中学校3年の「6・3」制だけでなく、自治体の判断で「5・4」「4・3・2」制など弾力的な運用も可能になる。