「宮古関係者の詳細調査を」/北朝鮮「拉致問題」
市と議会 西銘衆院議員に協力要望
宮古島市(下地敏彦市長)と市議会(眞栄城徳彦議長)は11日、北朝鮮拉致問題に関する行方不明者調査について、西銘恒三郎衆議院議員に要望書を提出した。要望書では、行方不明になっている宮古関係者の多くが特定失そう者に認定されていないものの拉致された可能性が高いことから国が調査対象として認定することに向けて理解と協力を求めている。
要望書の提出には、この問題を市議会の一般質問でも取り上げている仲間頼信市議や行方不明者の家族も同席し、切実な思いを訴えた。
要望書を受け取った西銘氏は「今の時点での情報では拉致被害であるという想定で認定されている人と特定失そう者のリストにまず入っていないといけないが、いろいろ調べてみたい。報道によると北朝鮮側がリストを提出するとの話もあるのでその中に名前がある可能性もあると思うので拉致問題担当大臣に要望の内容は伝えたい」と述べた。
下地市長は「この問題については今後、国に対して要請したいと思っているがその前に地元選出の国会議員に要請して、西銘衆議院議員の力も借りて政府に要請していきたいと思っている」と述べ、理解を求めた。
要望書では、1977年11月に平良港を出港したまま消息を絶った「第8協洋丸」の乗組員7人のうち1人が宮古出身でこの件については拉致の可能性が排除できない事案として調査対象となっているが、1966年11月に那覇港を出港し消息を絶った「第11金栄丸」と1962年3月に那覇港を出港し消息を絶った「第1富士丸」は調査対象となっていないという。
仲間市議によると金栄丸には宮古出身者12人、富士丸には18人が乗船しており、拉致の可能性が高いことから詳細な調査の実施を求めている。
同席した与那嶺健一さん(76)は「当時まだ、19歳だった弟の勇が第1富士丸で出漁して52年たった今もまだ帰ってこない。ぜひ、良い方向に向かうことを期待している」と話した。
兄が行方不明になっている前泊洋有さん(49)は「兄は当時16歳で第11金栄丸で出漁した。私は当時1歳だったので兄の顔は写真でしか見ていない。ぜひ、この機会に見つかって兄に会えることを期待している」と述べた。