人手不足の影響懸念/建設工事
関係者の連絡会が発足
建設工事関係者連絡会議が15日発足し、第1回会議を平良合同庁舎で開いた。宮古地区での建設好況や2020年東京オリンピックに向けて、建設業界の人材不足が深刻さを増し安全への影響が懸念される中で、宮古労働基準監督署と公共工事発注者、施工者の3者が連携して、労働災害防止対策を強化する。
従来、公共工事の災害防止については発注者と労働基準監督署が総合的対策を推進してきたが今回、建設関係団体を加えた。
あいさつで南隆功宮古労働基準監督署長は「人手不足の中では人材の質の維持や現場管理に支障を来すことがある」と指摘。そうした状況下、安全を確保するには「建設業者の取り組みだけでなく、発注機関が従来以上に安全衛生に配慮した条件で発注を行うことや発注者、施工者、監督署が緊密に対策を進めて行く必要がある」と述べた。
沖縄総合事務局は発注の際に①企業や技術者に同種性工事の経験があるか②施工計画に安全対策を取り入れているか-などを注視していることを明らかにした。
発注者の取り組みには①夏場における熱中症予防のための休憩時間拡大を見込んだ工期設定②工期見直しの柔軟化③安全衛生経費の確保-なども求めている。
宮古地区の休業4日以上の労働災害は2010年から減少し、13年は27件に減った。同年の建設業は死亡事故ゼロを達成した。しかし、今年に入ってすでに休業4日以上の労災が4件発生したことや安全衛生法違反率が71・4%と高いことなどが懸念材料となっている。
04年~13年まで10年の間に県内では1572人が労災(休業4日以上)に遭い、「事故の型」別には足場などからの「墜落・転落」が541人、飛んできたものや落ちたものに当たる「飛来・落下」が185人と同2項目で半分近くを占めた。防止策には①適切な墜落防止策の実施②足場や安全帯の確実な点検-などを示した。
夏場に増える熱中症対策には①日よけで直射日光を避ける②通気性の良い服装とつば広の帽子、特に首と頭を直射日光から避ける③積極的に水分や塩分を補給する④風通しの良い休息所を設け適度に休憩する-などを挙げた。
同会議には沖縄総合事務局や県、市、多良間村、建設関係団体、労働基準監督署から28人参加した。