障害者の自立支援へ/就業・生活支援セ
講演会で取り組み紹介
障害者就業・生活支援センターみやこ(神里裕丈所長)主催の障害者支援講演会「全国における障害者支援の実践」が16日、みやこ学園で開かれた。長野、山形、大阪、名護市で障害者の自立支援に取り組む4人の専門家が講師を務め、取り組み事例などを紹介した。
講師を務めたのは、長野県の社会福祉法人ともいき会の越川睦美理事長、山形県社会福祉事業団の管洋一管理者、NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワークJSNの金塚たかし統括所長、社会福祉法人名護学院の崎濱秀政理事長の4人。講演会のコーディネーターを務めた崎濱氏は今回の講演会について「各地での取り組みが紹介される。働く、暮らすをキーワードに、就業支援のネットワークとは何か、自分たちのネットワークは本当につながっているのか確認をする場にしてほしい」と呼び掛けた。
越川氏は、早期支援、療養で発達障害者が大学を卒業し健常者枠で就職できた事例を報告。「最近、小さな子には、大きくなったら働こうと呼び掛けている」と語った。
管氏は、これまでは親が仕事を辞めて送迎をしなければ通学できなかった特別支援学校に、県の協力でスクールバスを導入させたことや、隔離状態の施設利用者の一人から「こんなところにいたくない。就職したい」と言われたことをきっかけに、地域で暮らしながら就業を目指すグループホームの運営を始めたエピソードなどを紹介した。
金塚氏は精神障害者の就職を実現させるためには「見えない障害の見える化が必要」との持論を紹介。「私たち支援者が、障害者を理解し、彼、彼女たちの取説(取扱説明書)を作って就職企業に伝えなければ、企業はどう働かせればよいのかが分からない」との考えを示した。
会場には、関係機関の担当者らが多数、訪れ、講師の話に聞き入っていた。